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Chi-Ri II
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*概要 [#wd81f7a9] 実は完成時に(諸々の理由で)その存在意義が微妙になっていた五式中戦車チリであったが、一方で四式中戦車チトの400馬力空冷ディーゼルエンジンに過給器を装着することで、 開発開始時には困難だった、500馬力空冷ディーゼルエンジンの実現の見通しが立つなど、量産・運用上のネックである燃料問題には、解決の見通しが立っていた。 こうしたことを踏まえ、五式チリ車を全面的に再設計したチリⅡ型が開発された。 #br エンジンの変更に伴って機関区画は短縮され、転輪はチリから一つ減って七個となった。転輪・駆動輪・誘導輪はチリのものが使われた。 主砲はチリと同じものだが、実用化に難のあった、半自動装填装置は搭載されていない。 砲塔は三式チヌ車のものを転用。 副砲は廃止され、車体正面上部の装甲の傾斜はチト・チリより若干強くなっている。 以下、比較。 |名称|チリ|チリⅡ型| |重量(t)|35|約35| |全長(m)|7.3|6.492| |全幅(m)|3.07|3.05| |全高(m)|3.05|2.792| |携行弾数|100|66| |車体前面装甲(mm)|75|50~75| |車体側面装甲(mm)|50~25|35| |車体上面装甲(mm)|20|16| |車体後面装甲(mm)|50|35| |車体底面装甲(mm)|12|16| |砲塔前面装甲(mm)|75|75| |エンジン形式|水冷ガソリン|空冷ディーゼル| |エンジン馬力(hp)|550|500| |最高速度(km/h)|42~45|40| 砲塔側面・後面・上面の装甲厚はチリⅡ型は記録なし。 #br この比較を見てわかるとおり、チリⅡ型はチリより若干小型であり、''五式チリ車を四式チト車生産型化した様な車両である''。 また、かの有名な「試製新砲戦車ホリ」はチリⅡ型をベースとする予定だったらしい。 チリⅡ型は戦時下のリアリズムに裏打ちされた、地味ではあるが堅実な能力を持つ車両だったのだ。 また、四式チト車の代用として量産化の可能性がある車両であり、実際に(未公開の)四研会議資料の綴りには、相模陸軍工廠でのチリⅡ型の量産に関する記述が見られる。ゆえに、チリⅡ型の量産化はある程度真剣に議論されていたのである。 なぜそのようなことになったのかといえば、四式チト車はもともと57ミリ砲搭載戦車として一度完成はしていたが、急きょ75ミリ砲搭載に変更され、その結果重量が30トン超えになったにもかかわらず、操縦装置や動力系は20トン級戦車の設計のままであり、重量増に不安が残っていたからである。 また、砲の換装に伴い砲塔が大型化し、操縦手と前方機銃手の搭乗ハッチの搭載が不可能になった。これらのハッチの搭載は、従来から強く求められていたが、チト車では実現できなかった。 つまり、チト車に比して、当初から30トン超級75ミリ砲搭載戦車として開発されたチリⅡ型の方が設計に余裕があった(無理がなかった)からである。 #br そしてこのチリⅡ型が基になって、チリⅡ型固定戦闘室Ⅰ・Ⅱやホリ車が開発されていくはずだったのである。 (『丸』2011年10月号) 個人的にチリⅡ型に秘匿名称をつけるなら、チル車がいいんですが、チル=散るで縁起が悪いっていう意見もあるようなので、ヲをとばしてチワ車ですかね? チヲって言いづらすぎでしょ。
日本語表記:チリⅡ http://i.imgur.com/fVbroHU.jpg ''スペック'' |車体|チリⅡ| |車体装甲厚(mm)|50(下部)~75(上部)| |重量(t)|約35| |エンジン①|三菱AL 過給器付4ストロークV型12気筒空冷ディーゼル| |馬力(hp)|500| |出力重量比|14.29| |武装①※|五式七糎半戦車砲(長)| |砲口初速(m/s)|約850| |類似火砲|7.5 cm Tank Gun Type 5 Model I(チリ中間砲)(備考:同一火砲)| (『丸』2011年10月号,Wikipedia) ※主砲は75口径でチリ車よりも高貫通(高初速)のものを用いたい。 *概要 [#wd81f7a9] 実は完成時に(諸々の理由で)その存在意義が微妙になっていた五式中戦車チリであったが、一方で四式中戦車チトの400馬力空冷ディーゼルエンジンに過給器を装着することで、 開発開始時には困難だった、500馬力空冷ディーゼルエンジンの実現の見通しが立つなど、量産・運用上のネックである燃料問題には、解決の見通しが立っていた。 こうしたことを踏まえ、五式チリ車を全面的に再設計したチリⅡ型が開発された。 #br エンジンの変更に伴って機関区画は短縮され、転輪はチリから一つ減って七個となった。転輪・駆動輪・誘導輪はチリのものが使われた。 主砲はチリと同じものだが、実用化に難のあった、半自動装填装置は搭載されていない。 砲塔は三式チヌ車のものを転用。 副砲は廃止され、車体正面上部の装甲の傾斜はチト・チリより若干強くなっている。 以下、比較。 |名称|チリ|チリⅡ型| |重量(t)|35|約35| |全長(m)|7.3|6.492| |全幅(m)|3.07|3.05| |全高(m)|3.05|2.792| |携行弾数|100|66| |車体前面装甲(mm)|75|50~75| |車体側面装甲(mm)|50~25|35| |車体上面装甲(mm)|20|16| |車体後面装甲(mm)|50|35| |車体底面装甲(mm)|12|16| |砲塔前面装甲(mm)|75|75| |エンジン形式|水冷ガソリン|空冷ディーゼル| |エンジン馬力(hp)|550|500| |最高速度(km/h)|42~45|40| 砲塔側面・後面・上面の装甲厚はチリⅡ型は記録なし。 #br この比較を見てわかるとおり、チリⅡ型はチリより若干小型であり、''五式チリ車を四式チト車生産型化した様な車両である''。 また、かの有名な「試製新砲戦車ホリ」はチリⅡ型をベースとする予定だったらしい。 チリⅡ型は戦時下のリアリズムに裏打ちされた、地味ではあるが堅実な能力を持つ車両だったのだ。 また、四式チト車の代用として量産化の可能性がある車両であり、実際に(未公開の)四研会議資料の綴りには、相模陸軍工廠でのチリⅡ型の量産に関する記述が見られる。ゆえに、チリⅡ型の量産化はある程度真剣に議論されていたのである。 なぜそのようなことになったのかといえば、四式チト車はもともと57ミリ砲搭載戦車として一度完成はしていたが、急きょ75ミリ砲搭載に変更され、その結果重量が30トン超えになったにもかかわらず、操縦装置や動力系は20トン級戦車の設計のままであり、重量増に不安が残っていたからである。 また、砲の換装に伴い砲塔が大型化し、操縦手と前方機銃手の搭乗ハッチの搭載が不可能になった。これらのハッチの搭載は、従来から強く求められていたが、チト車では実現できなかった。 つまり、チト車に比して、当初から30トン超級75ミリ砲搭載戦車として開発されたチリⅡ型の方が設計に余裕があった(無理がなかった)からである。 #br そしてこのチリⅡ型が基になって、チリⅡ型固定戦闘室Ⅰ・Ⅱやホリ車が開発されていくはずだったのである。 (『丸』2011年10月号) 個人的にチリⅡ型に秘匿名称をつけるなら、チル車がいいんですが、チル=散るで縁起が悪いっていう意見もあるようなので、ヲをとばしてチワ車ですかね? チヲって言いづらすぎでしょ。